シタール

 


代表的な楽器 〈シタール〉〈タブラ〉〈タンブーラ〉
インドにおける古典音楽の伝統は、賢者バラータの唱えた主義に基づいており、今日もなお瞑想・集中・崇拝といった形で受け継がれています。


インドの古典音楽は、「ラーガ」とよばれる音楽理論(規則)と7音階、そして「ターラ」と呼ばれるリズムサイクルで音楽全体の基本を構成しています。インドの古典音楽は、これらの決まりごと(要素)のなかで、即興性の高く審美的な演奏醸し出すなど独特の趣とムードがあります。


特にリズムサイクルのターラは演奏ごとに決められており、一つの演奏が終わるとその次の演奏というように演奏を繰り返します。それぞれのサイクルの間で即興を可能にし複雑な楽曲を創り出すなど、その楽曲の審美的要素を一層高めています。 そして、ラーガによる音の進行は独特の旋律の美しさを持ち、耳を傾ける全ての人の心の億に響いてきます。


今日では、インド音楽の伝統に二つの主流傾向があります。カルナータカ音楽(インド南部)とヒンドウスターニー音楽(インド北部)です。カルナータカ音楽とヒンドウスターニー音楽にはそれらの遺産や原理が本質的に同じであるという共通の特徴が幾つかあります。しかし、それぞれのラーガや節は、はっきりと異なっています。
※インドの古典音楽は常にラーガで編曲されますが、ラーガ音楽の全てが古典であるとは限りません


インドの音楽は完全な即興演奏で、演奏される時間帯や場所によって曲が異なります。 演奏会場の雰囲気によっても変わってきます。そのため、どんな演奏会でも、事前に演奏する曲を決めることは極めて困難です。
シタールの演奏会は、基本的に3部構成になっています。
第1部は長い序奏部から始まります。序奏部はタブラー(インドの太鼓)なしで演奏され、お客様に演奏に集中して頂くとともに、ムードを醸し出します。次にタブラーの伴奏が入り、ゆっくりしたリズムから徐々に早いリズムの演奏に変わってゆきます。
第2部は短い序奏部のあと、すぐにタブラーの伴奏が入ります。
第3部は軽い感じの古典的音楽を演奏をします。シタールとタブラーが最初から一緒に演奏する短い形式で、人間の様々な感情や表現を含んだ楽曲です。



シタール
シタールは、今から約二千年前、ペルシャからアフガニスタンを経てインドに入った北インドの代表的な古典弦楽器です。演奏は全て暗譜で行うため師匠から弟子へと伝承されます。 現在シタールは、芸術音楽だけでなく、広くインド映画,ドラマなどのBGM(音楽)、アンサンブルなどでも使われています。
インド国内の演奏会では、代表的な弦楽器として活躍しています。若い人々にもたいへん人気があり、今でも有名なシタール奏者の演奏には大勢の若い人が集まります。
シタールはインドだけでなく、アメリカ、ヨーロッパ などの諸外国でもたいへん人気があり、近年インド人以外のシタール奏者が増えています。 シタールは、インド伝統音楽を代表する楽器です。
共鳴胴は、夕顔の実(かんぴょう)を乾燥させ、必要な部分を切り取って使います。これに木製の共鳴板を取り付け、ネックを取り付けています。
主奏弦7本はフレットの上を通り,それに加え、フレットとネック上の指板との間を通る共鳴弦があります。共鳴弦は11~13本。全体で17本から20本ほどの弦を持つことになります。 弦の材質は、鋼鉄(スチール)と青銅(ブロンズ)です。インド古来の弦楽器であるヴィーナが改良されたもので、右手の人差し指にはめるピアノ線でできたピックによって弾かれます。 主奏弦の左側3本はチカリと呼ばれ、リズム用で一定の高さの音を出します。また、共鳴弦がフレットの下を通っていて、ラーガのもつ音階に合わせて調律を変え、その共鳴がこの楽器に豊かな響きを与えています。
音程は弦を引っ張ることによっても変えることができ、微妙な音程や歌うようななめらかな動きなど、あらゆる表現を可能にしています。
また、大きな特徴としてブリッジの弦に触れるところが広いスロープ状になっており、長い余韻を作り出します。
右手人差し指には、ミズラーブという義爪をはめて弦を弾きます。左手は、人差し指、中指を使って弦を押さえます。
チャンドラカント・サラデシュムク氏は約1500曲を暗譜しています。 その他にもインドクラシック音楽の規則を通じて、クラシック・セミクラシック(インド映画など)の歌、インドダンスのための作曲、ドラマなどのバックミュージックなどの作曲経験があります。


タブラ
北インドの代表的打楽器。右手で叩く小さい方がタブラ、左の大きい方がバヤ。総称してタブラと呼びます。
中央の黒い円はカブ(またはシャヒ)といって鉄粉などを練り合わせたものが塗られています。これが多彩な音色や奏法を可能にしています。主音に調律されます。 単にリズムを刻むだけでなく、色々な奏法や変奏法により独奏楽器にもなります。
また、伴奏において主奏楽器と一体となった響きは、全く独特のものということができます。 最も人気がある演奏方法は、インド伝統音楽のヴォーカリスト、インストロ、ダンサーなどのメーンの奏者に合わせてタブラ奏者がアドリブで演奏することです。

タンブーラ
4~6弦のフレットのない撥弦楽器(はつげんがっき)。大小あります。主音と属和音等(ラーガによって調律を変えることもある)を一定のテンポで繰り返し響かすことにより、演奏全体のバックグラウンドを作り出す役割をもちます。