音楽が、痴呆症や神経症の治療に用いられている例を耳にされることが多いと思います。日本のある大学病院では緊張性頭痛や過敏性腸症候群など、カラダの症状の緩和にも音楽療法を用いています。
これは、ボデイソニックという体感音響装置を使って患者さんに音楽を聞かせるものですが、ストレスを取り除きリラックスさせるといった精神面だけでなく、筋電位の低下(緊張が和らぐこと)、皮膚温の上昇(血流量の増加)など肉体面での変化も観察されています。



前述の大学病院では 鬱病の患者さんに自分で音楽を選ばせたところ、最初は切ないオフコースの曲、少しよくなってきた頃にはリチャードクレイダーマンの軽快なピアノ曲、身体症状も軽くなってきた頃には矢沢永吉を選んだそうです。まるでその人のエネルギーのレベルに合わせたみたいで面白いですね。


ドクターが音楽を勧める場合には、あまりガチャガチャした音楽ではなく、刺激の無いくつろげる音楽を勧めているようです。そして、何かをしながらではなく、体を横たえるか、少なくともちゃんと座って、ゆったりと音楽に集中する時間を作ることが大切なようです。


インドには「サーマヴェーダ」という音楽についての学問が古くから伝えられています。 この中には音楽によって、生物に生理的な影響を与える方法についての知識が多く含まれています。オーストラリアでは、この理論に基づいてインド音楽による音楽療法も行われています。


Dr.サラデシュムクの弟さんでチャンドラカント博士はシタールという弦楽器を使って、この伝統的な音楽療法をオーストラリアで行っています。その成果は驚くべきものです。感情の表現に乏しかった十歳の脳性マヒの男の子が何回か彼のシタールを聴いているうちに、徐々に感情を見せるようになり、1年後には笑顔さえ見せるようになったそうです。